「私、最近やっと楽天証券を開いたの。まだ途中だけど、ゆっくりやってる。でもYouTubeを見ていると『暴落する』とか流れてきて不安……。買い時っていつなの?」
身近な友人から、こんな相談を受けました。
投資を始めたばかりの頃は、何を買えばいいのか、いつ買えばいいのか、分からないことばかりです。特にYouTubeを開けば「歴史的大暴落の危機!」「今買わないと手遅れ!」といった刺激的な動画が次々に目に入ります。
そんな初心者の方に、私が最初に伝えたいことがあります。
最初から完璧な投資をしようとしなくていい。大切なのは、相場を当てることよりも、無理なく続けられる仕組みを作ることです。
1.暴落を待って「底値で買う」のはプロでも難しい
投資初心者が陥りやすいのが、「大暴落が来たら、一番安いところでまとめて買おう」という考え方です。
しかし、実際に暴落が起きたとき、冷静に買い注文を出せるでしょうか。
株価が大きく下がれば、ニュースでは不景気や金融危機が取り上げられ、YouTubeには「まだまだ下がる」「今は買うな」といった動画が並びます。
後からチャートを見れば「あそこが底だった」と分かります。しかし、その真っ最中には、そこが底なのか、それともさらに下がる途中なのかは誰にも分かりません。
暴落を待ち続けることにもリスクがある
もう一つ注意したいのが、暴落を待っている間に株価が上昇してしまう可能性です。
「もっと安くなってから買おう」と考えているうちに、相場が上昇し、結局ずっと買えないまま時間だけが過ぎてしまうこともあります。
これは投資における機会損失の一つです。安く買いたいという気持ちは自然ですが、完璧な買い時を探し続けることが、必ずしも良い結果につながるとは限りません。
2.実際の運用データから考える、長期積立の強み
ここで、私自身が長年続けているiDeCoの運用状況を紹介します。

- 拠出金累計:約435万円
- 現在の資産残高:約750万円
- 運用損益:約315万円
もちろん、これまでずっと右肩上がりだったわけではありません。相場が大きく下落した時期も経験しています。
それでも長期間積み立てを続けてきたことで、現在はこのような運用結果になっています。
ここで重要なのは、将来も同じような利益が出るという意味ではないことです。過去の実績は将来の利益を保証しません。
ポイント運用にも相場の上下はある
もう一つ、身近な例としてPayPayポイント運用の推移も紹介します。

グラフを見ると、途中で大きく下落している時期があります。こうした下落局面では不安になるものですが、長期的な視点で見ると、短期の値動きだけでは分からないこともあります。
積立投資のメリットの一つは、価格が下がったときにも同じ金額で多くの口数を購入できることです。ただし、下落が続けば資産が減ることもあります。
上がれば資産が増える。下がれば同じ金額で多く買える。短期の値動きに振り回されず、長い目で考えることが大切です。
3.NISAだけでなくiDeCoの節税メリットも知っておこう
投資を始めると、まずNISAに注目する人が多いと思います。しかし、所得税や住民税を納めている人なら、iDeCoも検討する価値があります。
NISAとiDeCoの違い
- NISA:対象となる投資商品の売却益や配当・分配金が非課税になる制度。
- iDeCo:掛金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税。受取時にも税制優遇があります。
特にiDeCoは、掛金が所得控除になる点が大きな特徴です。所得や掛金額によっては、所得税・住民税の負担を軽減できます。
ただし、iDeCoには原則として60歳まで資産を引き出せないという制約があります。また、加入資格や掛金上限、受取時の税金も確認する必要があります。
節税メリットだけで判断せず、生活資金や将来の支出とのバランスを考えて利用しましょう。
4.YouTubeだけに頼らない情報収集をしよう
投資を始めると、どうしても情報を集めたくなります。しかし、情報が多ければ多いほど投資判断が良くなるとは限りません。
① 投資関連の本を1冊読んでみる
YouTubeの短い動画を次々に見るよりも、投資の基本を体系的に解説した本を1冊読む方が、長期的な投資方針を考えるうえで役立つことがあります。
② 楽天証券の無料マネー雑誌・書籍を活用する
楽天証券には、条件を満たす利用者向けに、マネー雑誌や投資関連書籍を無料で読めるサービスがあります。
2026年10月からは、対象の雑誌と書籍を合わせて毎月10冊まで利用できるようになりました。
利用には、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 楽天証券のNISAまたはiDeCo口座の開設(iDeCoの場合は総合口座との連携・初期設定も必要)
- 楽天ポイントコースの設定
- 楽天グループへの情報提供に関する同意
対象には『日経マネー』や『AERA Money』などもあります。楽天マガジンアプリから利用できるので、対象条件を確認してみてください。
③ ChatGPTなどのAIを相談相手にする
AIも投資の勉強に役立つツールです。
例えば、「オルカンとS&P500の違いは?」「この投資信託の手数料やリスクは?」「NISAで積み立てる場合の注意点は?」といった質問をすれば、基本的な知識を整理できます。
ただし、AIの回答にも誤りはあります。将来の株価予測や個別銘柄の売買判断をそのまま信じるのではなく、金融機関の公式資料や企業のIR情報などで確認することが大切です。
まとめ:最初は少額から、自分のペースで始めよう
投資を始めたばかりの人が、いきなり個別株を買ったり、暴落のタイミングを当てようとしたりする必要はありません。
まずは次の3つを意識してみてください。
- 生活に必要なお金を確保したうえで、無理のない少額から始める。
- 全世界株式やS&P500など、商品の特徴とリスクを理解して投資先を選ぶ。
- 自分の資金計画に合った積立設定を行い、短期的な値動きに振り回されない。
投資で大切なのは、誰よりも早く買うことでも、暴落を完璧に予測することでもありません。
自分が理解できる範囲で、無理のない金額から始め、長く続けられる方法を見つけることです。
「まだ途中だけど、ゆっくりやっている」
それで十分です。焦らず、一歩ずつ資産形成を進めていきましょう。


コメント